ADAステーキングの税金はいつ変わる?2028年分離課税で変わる部分・変わらない部分

ADAをステーキングしていると、2026年の税制改正のニュースを見て「税金、安くなるのかな」と思った人もいると思います。私は2018年からADAを保有しており、ステーキングも早い段階から続けています。結論から言うと、安くなるのは「売ったとき」だけです。ステーキング報酬を受け取る時点の税金は、今のところ変わりません。この記事では、ADAステーキングのどこが変わってどこが変わらないのか、境界線を整理します。

ステーキング報酬をもらう時も安くなるの?
いつから変わるの?
売るときの税金はどう計算するの?
本記事は情報提供を目的としており、個別の税務判断については税理士にご確認ください。制度の詳細は財務省令の確定を待つ部分が残っています。本記事は2026年7月時点で公表されている情報をもとに作成しています。
- ステーキング報酬を受け取った時点の税金は、現時点では変わらない(雑所得・総合課税のまま)
- 変わる可能性があるのは、受け取ったADAを国内の登録取引所で売却したときの税金(分離課税20%の対象になる見込み)
- 損失が出た場合、翌年以降3年間、特定暗号資産の利益と相殺できる繰越控除ができる
- 適用開始は施行法の翌年1月1日で、2027年か2028年かは施行日次第(現時点で未公表)
- 海外取引所・DEXでの売却は、条文の限定から分離課税の対象にならないと考えられる

結論|ADAステーキングの税金、変わる部分・変わらない部分

先に結論を書きます。
- 現時点では変わらない:ステーキング報酬を受け取った時点の税金。今まで通り雑所得として、給与など他の所得と合算して総合課税のままです(今回の大綱では、この部分の見直しは明記されていません)。
- 変わる可能性がある:受け取ったADAを国内の登録取引所で売却したときの税金。分離課税の適用が始まれば、他の所得と切り離して一律20%(所得税15%+住民税5%。別途、復興特別所得税が上乗せされる見込み)で計算されます。
つまり、税制改正の恩恵を受けるのは「もらった後、売ったとき」の話です。ステーキングを続けているだけで税金が下がるわけではありません。ここを混同している解説記事が多いので、この区別を頭に入れておいてください。
以下、それぞれ具体的に見ていきます。
おさらい|ADAステーキング報酬の今の税金ルール

ADAのステーキングは、ADAを預けて(委任して)報酬を受け取る仕組みです。この報酬は、受け取った瞬間の時価で「雑所得」として課税対象になります。売った時ではなく、もらった時点です。
ADAのステーキング報酬はエポックという単位で数日おきに発生します。細かく見ると、受け取りのたびに課税イベントが起きていることになります。実務上は年間の合計で計算しますが、「いつ受け取ったか」「その時の時価はいくらか」を記録しておく必要がある点は変わりません。
年間の暗号資産所得(給与以外の所得)が20万円を超えると、確定申告が必要になります。ADAの年間利回りは数%程度が目安とされています。保有量やADAの価格次第では、トレードを一切していなくても申告が必要になるケースがあります。
ここまでは、今回の税制改正がある前もあとも、現時点では変わりません。
令和8年度税制改正の全体像(ADA保有者が知るべき範囲だけ)

2025年12月に決定した令和8年度税制改正大綱で、暗号資産の税制が大きく見直されました。要点だけ絞ると次の通りです。
- 国内の登録業者(取引所)を通じて「特定暗号資産」を売却した場合の税金が、総合課税(最大55%)から一律20%(所得税15%+住民税5%)の申告分離課税に変わる(金融庁資料には「20%」の脇に「復興特別所得税除く」という注記があり、別途、復興特別所得税が上乗せされる見込みです)
- 損失が出た場合、翌年以降3年間、特定暗号資産の利益と相殺できる繰越控除ができる
- ただし、一般的な申告分離課税の仕組み上、給与所得や株式・FXの利益との相殺はできないとみられます
ここでのポイントは、対象がはっきり「譲渡(売却)」に限定されていることです。復興特別所得税については、令和9年分以後の税率が2.1%から1.1%に引き下げられることが同じ大綱で決まっており、暗号資産の分離課税が始まる時点でどちらの税率が適用されるかは大綱に明記されていません。上乗せ後の合計税率を具体的な数字で断定するのは避け、この記事では大綱に明記された「20%」を基準に説明します。特定暗号資産の定義や範囲は、財務省令で今後確定するとみられています。現時点の情報では、国内取引所に上場している主要な暗号資産(ADAを含む主要通貨が想定される)が中心になるとみられています。
これに対して、マイニング・ステーキング・レンディングといった「取得時に発生する所得」は、今回の分離課税の対象としては挙げられていません。取得時点の課税は、これまで通り雑所得・総合課税として扱われると読み取れます。
ここは断っておきますが、ステーキング報酬の取扱いそのものを将来的に見直すかどうかは、今回の大綱では明記されていません。財務省令や今後の政令でこの部分の解釈が変わる可能性はゼロではないため、「変わらない」と言い切るのではなく「現時点では対象外と整理されている」という理解にとどめておくのが正確です。
「もらう」と「売る」で結局いくら変わる?計算イメージ

具体的なイメージで確認します。
例えば、2028年中にステーキング報酬として合計50万円相当のADAを受け取ったとします。この50万円は、受け取った時点の時価で雑所得に計上され、他の所得と合算して総合課税で申告します。ここは改正前後でも、現時点では変わりません。
その後、受け取ったADAの価格が上がり、国内の登録取引所で売却して30万円の利益(譲渡益)が出たとします。この30万円が「特定暗号資産の譲渡」に該当し、かつ分離課税の適用が始まっていれば、税額は30万円×20%(+復興特別所得税)で計算されます。他の所得と合算されないため、給与所得が多い人ほど、総合課税だった場合との差が大きくなります。
これに対して、同じADAを海外取引所やDEXで売却した場合は、条文が「国内の登録業者に対する譲渡等」に対象を限定していることから、分離課税の対象にならないと考えられます。売却益は引き続き総合課税(雑所得)として、他の所得と合算して申告することになる見込みです。「国内の登録取引所を使ったかどうか」が、税金の扱いを分ける境目になりそうです。
いつから?スケジュールと現時点で未確定なこと

適用開始は「金融商品取引法の改正法が施行された年の翌年1月1日」と定められています。暗号資産の規制を金融商品取引法に移す改正法は、2026年4月10日に国会へ提出され、同年7月15日に成立したと報じられています。ただし施行日そのものはまだ公表されておらず、施行日によって適用開始が2027年1月1日になるか2028年1月1日になるかが変わります。現時点では、施行のタイミングを見極めている段階です。
現時点で未確定な点も整理しておきます。
- 「特定暗号資産」に具体的にどの銘柄が該当するか(財務省令で確定するとみられる)
- ステーキング・レンディング報酬の取扱いが将来的に変更されるかどうか
- 相続・贈与時の評価方法の見直し(今回参照した一次資料には直接の記載がなく、今後の議論で論点になる可能性がある事項です)
はじめの2点は、今回の大綱が対象範囲を明記していない部分であり、今後の政令・通達で明らかになる見込みです。「未定」「今後確定」という前提で情報を追う必要があります。
今のうちにやっておきたいこと

制度が固まる前の今、ADAをステーキングしている人ができることは主に記録の整備です。
- ステーキング報酬を受け取るたびに、日時と時価(受取時の円換算額)を記録しておく。取引所やウォレットによっては年間報告書が出ますが、複数のステークプールに分散していると自分で突き合わせが必要になる場合があります
- 国内の登録取引所での売買記録と、海外取引所・DEXでの取引記録を分けて管理する。分離課税が始まって以降、この2つは申告の書き方が変わる可能性が高いためです
- 損益計算ツールを使っている場合は、ステーキング報酬(取得時課税)と譲渡益(売却時課税)を分けて出力できるか確認しておく
今すぐ何かを変える必要はありませんが、記録の分け方を整えておくと、制度が確定したときに慌てずに済みます。
私自身、テストステーキングの頃からステーキング報酬をスプレッドシートに記録しています。取得費は売却額の5%とみなす方法で申告しており、損益計算ツールは使っていません。取引所も1カ所に絞っています。複数のステークプールに分散したい気持ちはあります。ただ、セキュリティ情報の管理が煩雑になることを考えると踏み切れず、今も1カ所での運用を続けています。正直に書くと、今回この記事を書くために調べるまで、「もらう」時と「売る」時で税金の扱いが分かれるという点を、私自身きちんと理解できていませんでした。ADAを長く持ち続けていても、制度の細かい部分は知らないままだったというのが実感です。
ステーキングをまだ始めていない方はADAステーキングのやり方・委任方法を、ウォレット選びに迷っている方はADAウォレットの選び方もあわせてご覧ください。


よくある質問

Q. ステーキング報酬自体が非課税になることはありますか。
現時点で公表されている大綱の内容には、ステーキング報酬の取得時課税を非課税にするという記載はありません。今回の改正は譲渡(売却)に対する課税方式の見直しが中心です。
Q. ハードウェアウォレットでステーキングしていても課税されますか。
ウォレットの種類にかかわらず、報酬を受け取った時点で課税対象になります。コールドウォレットで自己管理していても、記録・申告義務は変わりません。
Q. 複数のステークプールに分散して委任している場合、計算はどうなりますか。
それぞれのプールから受け取った報酬を、受取日ごとに合算して計算します。プールが多いほど記録の手間が増えるため、損益計算ツールの活用を検討する価値があります。
まとめ
ADAステーキングの税金は、今回の改正で全部が変わるわけではありません。報酬を受け取る時点の課税は、今回の大綱では対象外と整理されており、現時点では今まで通り雑所得・総合課税のままです。変わる可能性があるのは、受け取ったADAを国内の登録取引所で売却したときの税金で、こちらは分離課税20%(所得税15%+住民税5%、別途復興特別所得税が上乗せされる見込み)の対象になる見込みです。
「もらう」と「売る」を分けて考えると、この改正を混乱なく理解できます。制度の細部はまだ財務省令待ちの部分が多いため、今のうちは記録の整理を進めておくのがおすすめです。
本記事は2026年7月時点で公表されている情報をもとに作成しています。個別の税務判断は税理士にご確認ください。
参考にした一次情報
- 金融庁「令和8年度税制改正大綱(税制改正事項)」 https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
- 自由民主党「令和8年度税制改正大綱」 https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/212129_1.pdf
- 国税庁「暗号資産に係る税務上の取扱いについて(情報)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/
- PwC Japanグループ「暗号資産に係る2026年金商法等改正法の成立」(2026年7月28日) https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/news/legal-news/legal-20260728-4.html
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