【ネタバレ注意】「アド・アストラ」はヒューマンドラマ
ブラッドピットが映画で初めて宇宙に望んだ「アド・アストラ」
ブラッドピットをアカデミー賞の最有力候補にのし上げるほどの作品です。
ボクが「アド・アストラ」を観て感じた自分のチチ親とのことを書きます。
【ネタバレ注意】「アド・アストラ」はヒューマンドラマ
「後ろを振り返ると、塩柱になる」
ボクの心の中に登場するホントに救われる言葉がこれです。
この言葉は、旧約聖書に登場する話です。
詳しくは「ロトの妻の塩柱」を参照して下さい。
実は、ボクには誰にも話したくないチチ親との過去の思い出話が、43億個もあるんです。
そうです。43億個の1個でも話すと「塩柱」にされてしまう話です。
この43億個の話をするとボクは塩柱にされてしまうから、話す事はもうないと心に決めているんだけど、時々思い出すんですよね。
あの時あーだった。こうだった。これを言えば良かったなぁ〜
その時このセリフを言っていれば、こんな状況になって自分の立場が優位になったのになぁとほとんど毎日考えてしまいます。
その度に、ぼくは「塩柱」にされてしまっています・・・
あなたは、そんなことないですか?
「塩柱」にされてしまったことです。
過去を思い出して後悔して、そして今の状況を過去のせいにして、現実から逃避しているのだと思うのです。
どうしてか、ボクは毎日のように考えてしまうのです。
「アド・アストラ」でもチチ親に憧れて宇宙飛行士になったブラッドピットが演じる「ロイ」も、きっと同じことを考えていたと、ボクは勝手に想像してしまいました。
息子が憧れていたチチ親は何だったのか?
息子のロンは今回の映画内のミッションで思い出すことになりました。
16年前に43億キロも離れた星で消息が分からなくなったチチ親がロイにはいます。
ロイはチチ親のことを忘れていたけど、今回のミッションで思い出してしまったんです。
ロイの心の中の葛藤が蘇っていました。
葛藤を想い出したのですがロイは、地球を救うために仕方なくミッション挑戦を承諾します。
ロイは地球のためのミッションでチチ親に逢いに行くのではないと、心の中がモヤモヤしているとボクは想像出来ました。
毎日嫌な気分で、地球から月、そして冥王星に向かうロケットが出発する火星への旅に出ています。
この時、ロイの気持ちをボクに当てはめると・・・
サラリーマン時代、時間とお金を使って、意味のない会議に出席するために、遠方まで出張した時の気分と同じだったと思いました。
あなたは「つまらない!意味がない会議」って経験ないですか?
ホント時間の無駄です。
「給料が出てるからいいじゃん!」って声が聞こえてきますけど、その給料がやすいんですよ・・・、安い給料をもらうために無駄な時間使って無駄な会議に参加しているより、自宅で将来のために読書をしてた方がよっぽどましですよ!
分かりますよね?ボクだけじゃないでしょ?
心にモヤモヤを残したままロイはミッションを続けるのですが、火星で冥王星のチチ親に向けて、メッセージの録音作業中に、チチ親のことを思い出して涙が出て心拍が上がって、冷静になれなくなります。
そして冷静さを取り戻せないロイは、チチ親を助けに行くミッションから退くことになります。
ロイはチチ親がいる冥王星に行くロケットには乗れなくなります。
その時のロイの涙の理由は何だったのかボクにはよく分からなかったです。
チチ親への恨みなのか、憎しみの葛藤の涙なのか?
それとも、息子としてのチチ親を思う心配する愛からなのか?
冷たいようですが、ボクだったら涙など流さずに順調にミッションを遂行していたと思いますね。
だってここでは書きませんが、あれだけのことをやったチチ親なんです。
ロイの気持ちが分からない
それでもロイは、仲間の助けを得て無事に冥王星に向かうロケットに乗船します。
ボク(ロイ)の心の中にあることを思い出すと、塩柱になってしまう過去の思い出を、消し去りたいと強く決めています。
でも、今の気持ちのままだったらチチ親の顔を見ると過去の出来事を思い出してして塩柱にされてしまう。
ボクが塩柱にされない方法は、チチ親の存在をボクの心の中から消す事だ。
「アド・アストラ」の主演のブラッド・ピットが演じる「ロイ」に教えてやりたいと思った。
この映画のストーリーが進むにつれて、観ている観客の腸が、ググぐぐっと動くのを感じるくらい親子の葛藤を感じることが出来る映画です。
ボクも例に漏れず、ロイとロイのチチが出会ったシーンでは、腸がググぐぐっとホラー映画のごとく動いたのが分かった。
幸い映画の音が大きくて隣の人にはボクの腸の動きが聞こえなかったと思う。
チチ親への葛藤
「アド・アストラ」のテーマは息子がチチ親への葛藤を処分する方法が描かれているのではないかと想像しました。
息子が尊敬していたチチ親が地球外生命体を探すために、地球に残した母親を顧みていなかった。
そして地球に残した母親は死んでしまった。
ロイは本当に冥王星でチチ親に会いたかったんだろうか?
それとも地球を救うミッションを遂行する使命感から、危険を冒して強引にロケットに乗ったんだろうか?
ボクがロイと同じ立場だったら同じことをしていた。
地球を救うミッションを建前にして、チチ親の生き様を見てやろうってことです。
43億キロも離れた星に行って、チチ親に向かって「何してるの?あなたのやっている事で、地球が迷惑してるよ」と言ってやりますね。
ブラッド・ピット主演のSF映画
キャッチコピーの「必ず、見つけ出す」だけを読んで、ブルース・ウィリスの「アルマゲドン」的な宇宙が舞台の救出劇を期待して「アド・アストラ」を観に行ったんだけど、期待を裏切られまたよ。
「アド・アストラ」はアルマゲドンと同じでリブ・タイラーも出演しているしね。
インターステラを観た時を思い出しましたね。
インターステラも宇宙の彼方の仲間を救出する映画だったけど、実際のストーリーは想像とちがっていたしね。
ボクは勝手に「アド・ラスト」は父を助けに深い宇宙を旅するストーリーかと想像していたけど、想像と違って息子のチチ親への葛藤を描いた映画だった。
「チチの罪を子供が償う」このセリフは、映画を観ている人がそれぞれ解釈があると思うけど、ぼくもアド・アストラを観終わってから、この意味を考えたことは事実です。
チチ親側にも色々は事情があったのは分かるけど、どうして息子がチチ親の罪を償う必要があるんだろうか?
結局、ロイはチチ親とは違う道を進むことを選択したのです。
最後に・・・
過去の出来事はもう忘れよう。
過去を思い出しても未来は変わらないから。
そして過去に起きた出来事は今の自分に最善の事だったと・・・